「オデッセイ(4代目)」のデザイン採点と販売台数予想

written on 2008/10/23


気持ち悪さにどうしても馴染めずに、30点という低評価を与えた先代のオデッセイ。一見、殆ど変わっていないキープコンセプトの4代目も、当然低い点数になりそうなものですが、なかなかどうして。意外にも、かっこいいじゃあないですか!

あまり高い得点を付けたことの無いホンダ車だけど、思い切って、かっこいい度は、78点としちゃいます!



なーんてことをいきなり書いちゃうと、「何で大して代わり映えのしない2台の点数がこんなに違うんだよ!」と思われるでしょうが、まず何といっても、プロポーションがイイのです!

先代は、全体的に抑揚がなく、ヌメっとしたワンモーション風のプロポーションでしたが、新型を横から眺めると、フロントのボンネットがスッと伸び、キャビンが小さくなったように見えて、今まで以上にワゴンのデザインに近付いた印象。寸胴だった脇腹にはくびれも出来て、随分とシャープでスッキリとしたスタイルになりました。




といっても、2台の側面図を見比べると、フロントウインドウの位置や角度、ルーフラインなんかは、まるで一緒。違いが分かるのは、フロントのオーバーハングが若干伸びているのと、リヤウインドウの角度が少し寝かされていることぐらいなものです。

でも、よーく見てみると、もう1ヶ所、Aピラーの位置がかなり後ろにズレていることに気が付きます。これは、フロントウインドウの湾曲を強めて、ガラスの両サイドが、グっと後退しているため。これには、Aピラーより前の部分、つまりボンネットを長く見せる効果があって、実際に伸ばされたフロントオーバーハング分以上に、ボンネットの伸びやかさが強調されているのです。

同時に、後退したAピラーには、キャビンを小さく見せる役割もあって、傾斜を強めたリヤウインドウとの相乗効果で、実際以上にコンパクトなキャビンを演出しています。




実は、現行フィットの場合は「オデッセイ」と全く逆で、先代では湾曲していたフロントウインドウを平面化し、Aピラーの位置を前に出すことで、キャビンの大きなワンモーションフォルムを表現しているのですが、Aピラーの位置でプロポーションの印象がこんなに変わるとは、ちょっと驚きです。

こんな風に、目の錯覚も利用して、ワゴン車的な伸びやかさを増した新型のプロポーション。ワンモーションのミニバンをそのまま平たく潰していたような先代よりも、ずっと自然で、かっこいいと思います!



そして、2つ目のイイは、フロントとリヤのデザイン!

特に、クラリティから始まったホンダの新しい顔(勝手に「アメフト顔」と呼んでいます)は、かなりのお気に入りです! ちょっと派手過ぎる感があるのは否めないけれど、大柄のパーツで構成された、大胆でくっきりとした表情は、どことなくフランス車っぽい雰囲気もあって、なかなかの男前。大きな口をあんぐりと開けた今までの強面デザインよりも、遥かに、かっこよく感じます。

とはいえ、こちらも先代と比べてみると、切れ長のライトと大きく開いたグリルという基本は同じ。違いといえば、グリルの真ん中にキラキラと輝く大きなメッキバンパーが付いたことと、上端が一直線でふてぶてしかった眼つきが、ややシャープな吊り目になったことです。

ところが不思議なもんで、これだけの変化で、悪の化身だったフロントマスクが、随分と明るく知的な印象に変わるものですねぇ! 先代の薄気味悪さはすっかり消え去り、まるで悪魔が浄化され、天使に生まれ変わったかのような晴れ晴れしさが漂っているんだから驚きです。




そうそう、フロントとイメージを合わせて横長になったリヤランプと、キュっと絞り込まれたキャビン後端が生み出すリヤスタイルも、ミニバンらしからぬ新鮮な印象。欧州のシビックハッチバック、現行フィットと、最近のホンダはハッチバック車のお尻のデザインが手馴れてきたようですね!



という訳で、キープコンセプトに見える新型「オデッセイ」も、よくよく観察すれば、意外な程の変わり様。広さも表現しなければならないミニバンデザインから抜け出し、より乗用車らしくスポーティーになった「オデッセイ」に、ワンモーションでキャビンの大きさをアピールする「フィット」と、この頃のホンダデザインは、イメージを継承しながらもアイデンティティをより強化する方針を打ち出している模様です。

こうした地に足の着いた正統派のモデルチェンジって、ホンダらしくはないかもしれないけれど、基幹車種を大切育てるには一番適した手法ですね。



さてさて、そんなこんなで、随分とかっこよくなった新型「オデッセイ」ですが、キープコンセプトのホンダ車はイマイチ受けが悪いというのが、これまでの定説です。

しかし、この定説も、現行フィットの好調さが叩き壊しているようなので、僕の販売予想は、月7,000台

初代登場時と同じ月4,000台というメーカー目標よりも、多目に予想しておきましょう!
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