投稿

ラベル(採点)が付いた投稿を表示しています

「ラパン(2代目)」&「キューブ(3代目)」のデザイン採点と販売台数予想

イメージ
written on 2008/12/6 1999年頃から始まった「癒し」ブームに乗り、角を丸めた四角形という温かみのあるデザインで人気を得た「ラパン」と「キューブ」が、揃って新型に切り替わりました。 先代がヒットモデルだったせいもあり、どちらも見事なキープコンセプトで登場した訳ですが、 ワゴンR 、ムラーノ、 オデッセイ などを見ても分かる通り、最近は変化よりも正常な進化を目指すケースが目立っているようです。 長い間、日本では「新しいのはいいことだ」っていう考えが主流で、世界でも類を見ないほど、短期間且つ大幅な変化のモデルチェンジを競っていたんだけれど、メーカーもユーザーも疲れちゃったのでしょう。 「変化」という言葉だって、世の中を良くするよりも悪くしていくものっていうイメージになってきている気がするし、一か八かの勝負に出る革新性よりも、いつもと変わらぬ安心感の方を求めたくなる気持ちも分かります。こうした保守的なモデルチェンジが増えているのは当然のことなのかもしれません。 ま、実際のところは、 ワゴンR 以外、先代がインパクトの強いデザインの車ばかりだから、今回は小変更に留まったっていうだけなんでしょうけどね。 兎にも角にも先代のイメージを強く残したこの2台、丸い四角という基本デザインのみならず、「うさぎ」に「ブルドッグ」と、共に動物がデザインモチーフになっていたり、内外装に「うさぎ」と「波紋」をやり過ぎなくらい反復使用していたりと、デザインの方向性が、まるで親子のようにそっくり! なるほど、日産版「ラパン」とスズキ版「キューブ」の登場が噂されるのも無理のない話です。 だけれども、僕がそれ以上に興味を惹かれるのは、どちらも、元々の特徴であった、なめらかさや丸みを、更に加速させていること。 今の自動車デザインは、硬質感を表現する張りのあるボディに、エッジの立ったシャープなキャラクターラインを引くのが主流だけど、「ラパン」と「キューブ」にソリッド感は全くなく、実に柔らかそうで、まろやかなデザインになっているのです。 ところで、丸いデザインというと、思い出すのは、1990年代前半の頃。1989年に登場した5代目セリカから1996年のフォード・トーラスに至るまでの、車が妙に丸くなって...

「ワゴンR(4代目)」&「スプラッシュ(初代)」のデザイン採点と販売台数予想

イメージ
written on 2008/11/5 それまで、シルビアやCR-X、スカイラインにプレリュードといった、いわゆる「走る」車にしか興味のなかった僕が、まさに目から鱗が落ちるような衝撃を受けたのが、初代の「ワゴンR」。使いやすそうな道具感のあるデザインでありながら愛嬌もあり、車には「走る」以外の魅力もあるんだと、一気に価値観が変わってしまう程のインパクトを持っていました。 そんな「ワゴンR」も、ついに4代目が登場。究極のスペース追求はパレットに任せ、ウェッジシェイプのスポーティーなフォルムに変身です! 顔とお尻はあまり代わり映えがないけれど、横から見ると屋根とベルトラインが強く前傾し、サイドウインドウの上下幅はかなりの薄さ。「走り」とは異なるデザインで出発したはずの「ワゴンR」が、すっかり「走り」そうな車に成長しました。 とはいえ、4代目も、やっぱりどこから見ても「ワゴンR」。 近頃のスズキの軽は、 MRワゴン に セルボ と、かっこよくない上に先代の面影も全くないという困った車が続いていたけれど、屋台骨の「ワゴンR」はさすがに気合の入れ方が違います! 今までのイメージをしっかりと受け継ぎながらも適度な進化を加え、スイフト、 エスクード 、SX4の世界戦略車と同様に、磨き込まれた丁寧なデザインとなりました。 この新型なら、かっこいい度は、 65点 ! 先代 よりも、20点のUPです! ・・・と、誉めて終わろうと思っていた「ワゴンR」なんですが、実は僕の中で、思わぬライバルが登場してしまったのです! そのライバルとは、何を隠そう、同じスズキの「スプラッシュ」。ハンガリーから輸入される、世界戦略車第4弾です! 正直、去年の東京モーターショーで見掛けた時には、さほど印象には残らなかったんだけど、改めて日本で発表されたのを見ると、何だかいい感じの車じゃないですか。リヤランプがちょっと個性的な以外、特にこれといった特徴のないデザインなのに、一つ一つの面と線が程よい張りを持っていて、いかにも、時間を掛けて練り込まれた様子が伺えます。 かといって、変に上質さや、お洒落さを狙っている訳でもなく、あくまでカジュアルな実用車であるのが好印象。その上、インテリアも含めて、楽しいカラーバリエーションまで揃...

「オデッセイ(4代目)」のデザイン採点と販売台数予想

イメージ
written on 2008/10/23 気持ち悪さにどうしても馴染めずに、30点という低評価を与えた 先代のオデッセイ 。一見、殆ど変わっていないキープコンセプトの4代目も、当然低い点数になりそうなものですが、なかなかどうして。意外にも、かっこいいじゃあないですか! あまり高い得点を付けたことの無いホンダ車だけど、思い切って、かっこいい度は、 78点 としちゃいます! なーんてことをいきなり書いちゃうと、「何で大して代わり映えのしない2台の点数がこんなに違うんだよ!」と思われるでしょうが、まず何といっても、プロポーションがイイのです! 先代 は、全体的に抑揚がなく、ヌメっとしたワンモーション風のプロポーションでしたが、新型を横から眺めると、フロントのボンネットがスッと伸び、キャビンが小さくなったように見えて、今まで以上にワゴンのデザインに近付いた印象。寸胴だった脇腹にはくびれも出来て、随分とシャープでスッキリとしたスタイルになりました。 といっても、2台の側面図を見比べると、フロントウインドウの位置や角度、ルーフラインなんかは、まるで一緒。違いが分かるのは、フロントのオーバーハングが若干伸びているのと、リヤウインドウの角度が少し寝かされていることぐらいなものです。 でも、よーく見てみると、もう1ヶ所、Aピラーの位置がかなり後ろにズレていることに気が付きます。これは、フロントウインドウの湾曲を強めて、ガラスの両サイドが、グっと後退しているため。これには、Aピラーより前の部分、つまりボンネットを長く見せる効果があって、実際に伸ばされたフロントオーバーハング分以上に、ボンネットの伸びやかさが強調されているのです。 同時に、後退したAピラーには、キャビンを小さく見せる役割もあって、傾斜を強めたリヤウインドウとの相乗効果で、実際以上にコンパクトなキャビンを演出しています。 実は、現行フィットの場合は「オデッセイ」と全く逆で、先代では湾曲していたフロントウインドウを平面化し、Aピラーの位置を前に出すことで、キャビンの大きなワンモーションフォルムを表現しているのですが、Aピラーの位置でプロポーションの印象がこんなに変わるとは、ちょっと驚きです。 こんな風に、目の錯覚も利用して、ワゴ...

「iQ(初代)」のデザイン採点と販売台数予想

イメージ
written on 2008/10/9  (2008/10/15 メーカー月販目標、販売予想台数訂正) これまでにも、 R1 や ツイン が開拓に失敗してきた、日本のマイクロカー市場。ガソリン高騰や環境問題で必要性が高まりつつあるとはいえ、まだまだハードルの高いこの分野に、王者トヨタが「iQ」で挑戦することになりました。 こうした採算を度外視した企画を通せるとは、さすがはトヨタ! 初代プリウス以来久し振りとなる、社会的意義のある提案です。 でも、「iQ」がかっこいいかと聞かれると、かな~り微妙。スマートが環境意識のアピールとお洒落さを両立しているのに比べて、遊び心の無い優等生的な堅苦しさばかりが目立ってしまいます。とはいえ、真面目なおじさんや企業にとっては、落ち着いた「iQ」の方が馴染みやすくていいのかもしれませんね。 さて、そんな「iQ」が、どれだけ売れるのかは全くの未知数。トヨタとしては、 ヴィッツ の4分の1程の、月2,500台を目標としています。 約500台だった ツイン と R1 の5倍も売れるんだろうか、いやいやトヨタの販売力があれば軽くクリアするかもしれないぞ、などと悩むところですが、僕の予想はちょっとプラスの 月2,800台 ! 発売から半年ぐらいで失速するという想定です。 ところで、こうしたシティコミューターって、スマートや アイ みたいに、つるんとしたワンモーションフォルムになるのが一般的。短い全長でキャビンを大きく取るため、リヤにエンジンを搭載するケースが多いせいでもあるでしょう。 それに対して、独立したエンジンルームを持つのが、スズキの ツイン 。「iQ」はどちらかといえば、 ツイン と同じく、ボンネットの存在感のある2BOXスタイルになっています。 けれど、全長3メートル程度の2BOXって、本来はもう少し長い車を切り詰めたような窮屈さを感じちゃうんですよね。 どうやら、車のスタイルには、それぞれ適したサイズがあるようで、ミニマムサイズならボディ全部が居住スペースのようなワンモーション、もうちょっと余裕があればエンジンを前に押し出した2BOX、さらに大きくなると後ろにトランクも加えた3BOXっていうのが、自然な流れだと思うのです。 つまり、マ...

「ムーヴ コンテ(初代)」のデザイン採点と販売台数予想

イメージ
written on 2008/9/8  (2008/9/14 イラスト追加) 一目見た瞬間に誰もが思うように、間違いなく ラパン のパクリとの話題を振りまくであろう、「ムーヴ コンテ」。事実、そうなんだろうから、そう思われるのは当然なんだけど、僕は敢えて大きな声で言いたいです。 「全っ然、似てね~よ!!」 いや、だってね、 ラパン が羨ましくて、同じような車を作りたかったってのは、よく分かるけど、これじゃ、 ラパン の魅力を全然表現できていませんて。 ラパン の一番のポイントは、あの脱力系のデザインな訳だけど、それが生きるのは、全高を抑えた低めのプロポーションがあってのこと。それなのに、「コンテ」ときたら、まるで、クマがウサギの着ぐるみ姿で、「僕、かわいいでしょ!」って訴えているようなもんですよ。 そりゃ違うだろって、突っ込みたくなるのは当然です! 大体にして、「コンテ」は、ちょっと欲張り過ぎなんです。 「次のラテ、どうしよっかなぁ。また丸いのもなんだしなぁ。」 「ウチにも ラパン みたいなのが欲しいよね。」 「そういやぁ、 ムーヴ も心配だよなぁ。もっと四角いバージョンも要るんじゃないか?」 「・・・それなら、次のラテを ラパン っぽくすれば、全部解決じゃん!」 そりゃあ、こんなに沢山の問題を一気に片付けられたら、そんなに素晴らしいことはありませんよ。でも、昔から「三兎を追うものは一兎をも得ず!」って言うじゃないですか。 色んな目標を詰め込み過ぎた結果、「太った ラパン 」か、さもなくば、「地味で無個性な軽ハイトワゴン」とでもしか言いようのない、何とも魅力の薄い中途半端なデザインになってしまったのです。 やっぱねぇ、2代目ラテならもっと可愛いラテらしく、 ラパン のライバルを作るならプロポーションを含めてもっとラパンらしく、四角い ムーヴ が欲しいのならもっと ムーヴ らしくと、目標をビシっとシンプルに決めないと駄目なんです。 これじゃあ、3つのニーズをまとめて取り込むどころか、全員からそっぽを向かれちゃう危険性が大でしょう。「新型ラテ」と「 ラパン 対策」と「角 ムーヴ 」、出来るならば別の車として3種類を用意するべきでしたね。 ...

「LS(4代目)」&「オロチ(初代)」のデザイン採点と販売台数予想

イメージ
written on 2006/12/12  (2006/12/20 イラスト追加) 今回のお題は、主役不在のままスタートしたレクサスが1年の間待ち焦がれ続けた「LS」と、5年前の発表以来、市販化を望まれ続けたミツオカの「オロチ」です。 「LS」は、世界に誇る日本一のプレミアムブランドが送り出す、「最高級セダン」。片や「オロチ」は、日本最小のカーメーカーが情熱だけで作り上げた、「ファッションスーパーカー」。 1,000万円レベルという値段以外、全く正反対に見えるこの2台ですが、デザインに関して言えば、どちらも凄く日本的だなぁという共通性を感じたので、一緒に取り上げてみることにしました。 そんな訳で、まずは「LS」のデザインを見てみると、僕が連想するのは「着物美人」。欧州プレミアムが、ボディラインをより強調するドレスを身に纏ったグラマーな美人だとすれば、「LS」は、スレンダーで凛とした立ち姿を見せる、着物姿の美人です。 遠くからでも分かりやすいデザインやキャラクターラインで豪華に飾り、性欲丸出しのセクシーさで迫ってくる欧州勢とは違い、「LS」には、体のラインを敢えて隠そうとする着物のように、見えるか見えないかといった微妙な抑揚で表情を持たせた、禁欲的な美しさがあります。 ただし、その着物を身に着けているのは、清楚な美しさの日本女性ではなく、メリハリのきいたスタイルの外国人女性。遠目にはシンプルなデザインも、近付いて見れば、着物の下に隠された豊かなボディラインが見えてくるようです。 つまり、「LS」のデザインとは、国際的に通用するダイナミックなボディを、「抑制」や「静」といった日本的な美意識を感じさせる「着物」で包み込んだようなもの。欧州プレミアムに、「存在感」という同じ土俵で挑むのではなく、隠すことで逆に想像力を掻き立たせる類の美しさで勝負している訳です。 ・・・なーんてことを考えていると、外国人が日本文化に憧れて「Kimono」を着ているかのような「LS」のデザインって、意外と挑戦的なんじゃないのかなぁという気がしてきます。 何故って、セルシオは、メルセデスを追い続けただけの、欧州に憧れる日本車でしたが、「LS」では一転して、日本文化に憧れる欧州車を表現しているのです。一見、存在感が薄く感じられる...

「スカイライン(12代目)」のデザイン採点と販売台数予想

イメージ
written on 2006/12/3 ある日突然に「スカイライン」の名前を与えられた先代とは違い、「スカイライン」として開発された正真正銘の新型が、ついに登場しました! とはいえ、ボディサイズを始め、国内を最優先して作ったという新型も、デザインを見る限り、「スカイライン」らしさよりも「インフィニティ」らしさを重視した模様。本来「スカイライン」とは縁もゆかりもない先代が、従来のイメージを壊してくれていたお陰で、これが「スカイライン」だと言われても何とか納得できるけど、それがなければ、ちょっと小さな フーガ にしか見えません。 僕も、一度ディーラーの店先で新型「スカイライン」をチラッ見てからというもの、 フーガ を見ると「あれっ?スカイラインかな?」、「スカイライン」を見ると「あれっ? フーガ かな?」と一瞬悩むようになってしまいました。 そんな訳で、果たしてこのデザインで、先々代までの「スカイライン」ファンを取り戻せるのか不安でしたが、初期受注の状況をみると、6割以上を、50代~60代が占めているとのこと。僕の心配をよそに、かつての憧れを引き継ぐ存在として、きちんと認められているようですね。 とまぁ、「スカイライン」らしさには、ちょっとした不満もあるものの、その反面、3シリーズやCクラスのライバルになる、インフィニティ最量販車として見れば、なかなか上手いところを狙ったデザインだと思います。 確かに フーガ に似過ぎている感はありますが、それを言ったら、BMWだってメルセデスだって、同じデザインの大・中・小を揃えているようなもの。それぞれのデザインに、はっきりした関連性のないレクサスよりも、よっぽどプレミアムブランドらしい戦略だともいえます。 それに、よく見れば、スポーティーな「スカイライン」に、大らかな フーガ というように、同じデザインテーマでありながら、きちんとサイズに合った味付けがされていることに気が付きます。この流れで、もう一台、押し出し感を強調した、フラッグシップの大フーガが登場すれば、国内でのインフィニティ展開を、レクサスよりも分かりやすい形で始められるんじゃないでしょうかね。 さて、そんな新型「スカイライン」のデザインですが、インフィニティデザイン確立という役割の他に、もう一つ注目している点が...

「ムーヴ(4代目)」のデザイン採点と販売台数予想

イメージ
written on 2006/11/28 Keiや先代MRワゴンに セルボ など、今一つユーザー層の見えないデザインの多いスズキと比べると、最近のダイハツ軽は、どれもコンセプトが実に明快。 チープカジュアルな エッセ 、MINIをパクッた ジーノ 、女性受けする可愛さを狙ったムーヴ・ラテ、室内空間拡大の限界に挑んだタント、爽快な走りを表現した ソニカ といった具合に、どれも外観を見ただけで、車のキャラクターまでもが手に取るように分かってしまうデザインを与えられています。 ところが、4代目となる新型「ムーヴ」に限っては、どうも、車の特徴が不明瞭。広さを強調した箱型ではなく、かといって特別スポーティーでもないプロポーション。凛々しくも可愛くもない顔や、チープでも飾り立てた豪華さがある訳でもないボディパネル。 今までよりはスタイリッシュで、それなりに広そうで、不満の無い質感を備えていて、嫌われることの無さそうな顔つきで、つまり、全てを満遍なく備えているけど、その反面、何かに突出したところもないデザイン。 そうなんです、個性派揃いのダイハツ軽の中にあって、何がアピールポイントなのかが最も分かり辛いのが、この新型「ムーヴ」なのです。 だけれども、よく考えればそれも当然。 先代までは、 ワゴンR を超える『広さ』を表現することが、「ムーヴ」の個性だった訳だけど、究極の広さを追求したタントが登場したことで、その個性は奪われてしまったのです。最もベーシックなミラを中心に、チープな方向、高級な方向、スポーティーな方向と様々な差別化がある中で、「ムーヴ」が担当していた『広さ』方向の役割は、タントのものになってしまったのです。 こうなると、「ムーヴ」は何を売りにしたらいいのか困ってしまいます。自分は何のために存在しているのか、まさにアイデンティティ喪失のピンチです! しかし、嬉しいことに、時代は変わっていました! かつて軽自動車界の中心に君臨していたミラは、既にその力を失い、今や「ムーヴ」こそがダントツの稼ぎ頭になっていたのです。 となれば、個性を奪われた「ムーヴ」の行き着く先はただ一つ。 ミラの衰退で、ぽっかり空いてしまった、『最も標準的な軽自動車』という席しかありません! という訳で、見...

「ソニカ(初代)」&「セルボ(5代目)」のデザイン採点と販売台数予想

イメージ
written on 2006/11/18 ダイハツとスズキによる、軽自動車販売トップの座を巡る争いが激化する中、両社から、ちょっと個性派の軽が発売されました。 ダイハツから登場したのは、自分らしさや二人の時間を大切にするカップルに向け、走りの質感革新を目指した、新ジャンルカーの「ソニカ」。 対するスズキが送り出したのは、年齢や性別を問わない幅広いユーザーをターゲットにした、スタイリッシュでスポーティーで上質かつ個性的な、新しいジャンルの軽、「セルボ」です。 どちらも、新しいタイプの軽だとアピールしている訳ですが、出てきたデザインは、まるで正反対。 「ソニカ」は、そっけない程に装飾を抑え、ボディシルエットだけで勝負している、高級「素うどん」タイプ。 片や「セルボ」は、極限まで全身を飾り立て、これ以上、何も加えようがないという域にまで達した、「B級全部入りトンコツラーメン」タイプ。 出汁の旨みと麺のコシでシンプルに勝負する「ソニカ」と、味がぶつかり合い過ぎて何を食べているんだか分からない状態になってしまった「セルボ」といった印象です。 もっとも、こうしたテイストの違いは、コンセプトを見れば一目瞭然。 爽快な走りを追求し、ストレートに「爽快ツアラー」をコピーに掲げた「ソニカ」は、デザインにも迷いはなし! これに対して、「セルボ」のコンセプトは、「Fit on My Style(乗ること、持つことへの心の充足感)」。 これだけでも、意味がよく分からない上に、ターゲットユーザーは老若男女の全日本人ときたもんです! 「爽快な走りをイメージした、カップルのためのデザインにしてね」と言われればイメージも湧きやすいけれど、こんな的の絞りようのない注文をされたら、デザイナーは頭を抱えちゃうに違いありません。 結局、出てきたデザインは、いろんな車の特徴的な部分を適当に寄せ集めた、「スタイリッシュでスポーティーで上質かつ個性的」という複雑怪奇なものになってしまったのです。 そんな訳で、見れば見る程、いろんな車のモチーフが見えてくる、新型「セルボ」。 他車のいいとこ集めをしただけでは、良いデザインは作れないという格好の見本でもあるんですが、見方によっては、かっこよく見えてしまう可能性がない訳ではありません。実...

「パジェロ(4代目)」のデザイン採点と販売台数予想

イメージ
written on 2006/11/13 一連の不祥事で、すっかり地に落ちた感のあった、スリーダイヤマーク。一から出直す姿勢を表すためにも、天地逆にしろだの、 「一菱」や「四菱」にしろ だのと言ってきた僕から見ると、三菱が早くも完全復活をしたかのように堂々と輝く「パジェロ」のグリルには、ちょっと違和感を覚えてしまいます。 だけれども、そうした感情を抜きすれば、さすがは、ブーレイ氏が「世界で一番美しいマーク」と賞賛していたスリーダイヤ。純粋にデザインだけを評価するならば、新型「パジェロ」のグリルは、満点の出来と言ってもいいんじゃないかと思います。 さて、そんな「パジェロ」の立派なグリル。一見、ブーレイ顔とは完全決別したデザインのように思えますが、僕は、これもブーレイ顔の発展系なんじゃないかと思っています。 僕の勝手な想像では、ブーレイ顔っていうのは、グリル全体のデザインを決めたものではなく、台形の台座を背景にしたスリーダイヤの配置こそが、何よりも重要なポイント。そして、この台座、ブーレイ氏が日本の象徴としてモチーフにしたと考えるには、あまりにベタなんだけど、多分、 フジヤマ を表現しているんじゃないかと思うのです。 日本人が潜在的に美しいと感じる富士山をバックに輝くスリーダイヤ。まさに、『これぞニッポン!』って感じで、神々しささえ感じちゃうじゃないですか! ところが、そんなブーレイ顔も、採用第一弾となったコルトが、いかにも「開発最終段階で無理やり付けました」といった不恰好なデザインだったもんだから、批判が続出。続くランサーも、マイナーチェンジでの強引なブーレイ化で、傷口を拡大。この2台の悪印象のお陰で、ブーレイ顔をきちんと消化してデザインされたグランディスの力だけでは、イメージ回復を果たすことは出来ませんでした。 そして、さらに不幸なことに、不祥事による販売不振まで、ブーレイ顔の責任として押し付けられたもんだから、こりゃ大変。ブーレイ顔は失敗作として抹消され、ショックを受けたブーレイさんは三菱を去ってしまったのでした。(いえいえ、ダイムラー・クライスラーとの提携解消のため、ですね。) しかしです、そんなブーレイ顔も、海外では未だ健在! 西欧では、コルトもランサーもグランディスも、み...

「ストリーム(2代目)」のデザイン採点と販売台数予想

イメージ
written on 2006/7/28  (2006/8/3 イラスト追加) ウィッシュ による掟破りなパクリ攻撃に完敗した初代の恨みを晴らすべく、「ストリーム」が5年半振りのモデルチェンジを行ないました。 今度こそトヨタにゃ真似させないぞ、との気合に溢れた2代目のデザインモチーフは「シルバーウルフ」。ハイテクな金属感を持つ精悍な狼が、都会を低い姿勢で疾走する躍動感を表しているのだそうです。 そう言われてみると、なるほど確かにそんな感じ。子供にも分かりやすそうな、シンプルなかっこよさだと思います。これなら、 ウィッシュ に奪われたお客さんを再び取り戻せるに違いありません!! ・・・なーんて、上手い具合にいけばいいんだけど、実はちょっと、いやいや、かなーり心配。何故って、「ストリーム」を見ていると、とある2台の車を思い出してしまうからなのです。 まず、最初に思い出すのは、極端な傾斜角のハッチゲートを持った先代のアコードワゴン。直線基調でウェッジを効かせたプロポーション、クーペっぽく見せようとしているサイドビュー、薄いライトのフロントマスクと、縦横比こそ違うものの、どことなくアコードワゴンに似た感じを受けてしまうのです。 このアコードワゴン、デビュー時にこそデザインを最優先させた潔さが話題になったものの、期待を裏切り、ほどなく失速。その原因の一つが、よく見ればハッチゲートを寝かせたパッケージ以外には何てことのない、実にオーソドックスなデザインにあったんじゃないかと思うのです。 と言うかですね、オーソドックスってのは気を使った表現で、はっきり言っちゃえば「古臭い」デザインでしたよね。ホンダは「最近にはないシャープなデザイン」というような説明をしていたと思うけど、それもそのはず、全体的には2世代ぐらい前のファミリーカーのような印象で、どうにもこうにも古臭いデザインだったのです。 そうなんです、パッと見は確かにかっこいい「ストリーム」も、アコードワゴンと同様、よく見りゃデザインに新しさも面白さも感じられないんです。おまけに、面の張りやキャラクターラインの通し方にシャープさが欠けるのか、パネルの質感からも時代遅れな印象を受けてしまいます。 見れば見るほど、ふた昔くらい前のセンスでデザインされているような気が...

「i(アイ)(初代)」のデザイン採点と販売台数予想

イメージ
written on 2006/2/3 勇気を出して告白しますが、「i」、思いっきり好みのタイプです! 先進性、品質感、スピード感、かわいらしさ、クールさ、温かさの全てを兼ね備え、さらにウインドゥ周りのブラックアウトでツートンカラーのリズム感をも併せ持ったデザインは、まさに、僕の理想のど真ん中。軽サイズに収めたが故の、ちょっと幅が足りないアンバランス感も、小さな車にとっては、むしろチャームポイントとして大切な要素です。 もっとも、厳しく言えば、卵形のフォルム自体は、決して独創的なものではありません。 三菱自身が参考にしたと明言しているトヨタの天才タマゴこと初代エスティマも、次期モデルに「i」のエンジンが載る予定のスマート・フォーツーも、遥か昔にフロントからエンジンを追い出した卵型のプロポーションを実現していました。市販時にはFFになってしまったとはいえ、初代MRワゴンだって、1999年には卵形のショーモデルを発表していたのです。 だけど、そんなことは分かった上でも、やっぱり「i」のデザインは良く出来ていると思います。三菱の信頼度を地の底まで落とすことになった例の不祥事や、ダイムラークライスラーとのゴタゴタの影響なのか、開発に5年もの歳月が掛かったことが、結果的にデザインを煮詰めるのに充分な時間を与えたのかもしれません。 ショーモデルでは斬新だった車でも、市販時には平凡なデザインになってしまうのが普通なのに、「i」に関しては、2003年のフランクフルトモーターショーでのデビュー時よりも、遥かに洗練されたデザインになったのです。最近は競うように開発期間の短さをアピールする傾向があるけれど、アイデアを形にし、さらに熟成させるには、それなりの時間が必要なんですよね。 んな訳で、大変お気に入りの「i」ですが、難点は、シルバー系以外に、あんまりピンとくるボディカラーが見当たらないこと。デザイン自体がシルバー系しか受け付けないのか、三菱のカラーセレクトが悪いのかは分かりませんが、もうちょっと元気な色を増やしてみた方がいいんじゃないかと思います。 それと、細かいことを言うと、給油口の蓋を、スマートと同じように吸気口と合わせてブラックアウトして欲しかったですね。 ってことで、「i」のかっこいい度は...