「ムーヴ(4代目)」のデザイン採点と販売台数予想
written on 2006/11/28
Keiや先代MRワゴンにセルボなど、今一つユーザー層の見えないデザインの多いスズキと比べると、最近のダイハツ軽は、どれもコンセプトが実に明快。
チープカジュアルなエッセ、MINIをパクッたジーノ、女性受けする可愛さを狙ったムーヴ・ラテ、室内空間拡大の限界に挑んだタント、爽快な走りを表現したソニカといった具合に、どれも外観を見ただけで、車のキャラクターまでもが手に取るように分かってしまうデザインを与えられています。
ところが、4代目となる新型「ムーヴ」に限っては、どうも、車の特徴が不明瞭。広さを強調した箱型ではなく、かといって特別スポーティーでもないプロポーション。凛々しくも可愛くもない顔や、チープでも飾り立てた豪華さがある訳でもないボディパネル。
今までよりはスタイリッシュで、それなりに広そうで、不満の無い質感を備えていて、嫌われることの無さそうな顔つきで、つまり、全てを満遍なく備えているけど、その反面、何かに突出したところもないデザイン。
そうなんです、個性派揃いのダイハツ軽の中にあって、何がアピールポイントなのかが最も分かり辛いのが、この新型「ムーヴ」なのです。
だけれども、よく考えればそれも当然。
先代までは、ワゴンRを超える『広さ』を表現することが、「ムーヴ」の個性だった訳だけど、究極の広さを追求したタントが登場したことで、その個性は奪われてしまったのです。最もベーシックなミラを中心に、チープな方向、高級な方向、スポーティーな方向と様々な差別化がある中で、「ムーヴ」が担当していた『広さ』方向の役割は、タントのものになってしまったのです。
こうなると、「ムーヴ」は何を売りにしたらいいのか困ってしまいます。自分は何のために存在しているのか、まさにアイデンティティ喪失のピンチです!
しかし、嬉しいことに、時代は変わっていました! かつて軽自動車界の中心に君臨していたミラは、既にその力を失い、今や「ムーヴ」こそがダントツの稼ぎ頭になっていたのです。
となれば、個性を奪われた「ムーヴ」の行き着く先はただ一つ。
ミラの衰退で、ぽっかり空いてしまった、『最も標準的な軽自動車』という席しかありません!
という訳で、見事、『一番普通の軽自動車』になった、新型「ムーヴ」。そういう目で見てみれば、この個性の無さは『普通さ』を表しているという意味で、やっぱり車のキャラクターを明確に映したデザインだったのです。ダイハツの分かりやすいデザイン展開は健在だったのでした!
・・・余談ですけど、『普通さ』を「ムーヴ」に奪われてしまったミラの今後が楽しみですね。もはや、一番普通の軽ではない以上、ミラならではの個性が必要になるはずです。最近のダイハツの積極攻撃を考えれば、今更魅力の薄い普通の軽セダンのまま継続させる可能性は低いと思うのですが・・・。
さてさて、そんなこんなで、オーソドックス・オールマイティな軽らしい、キャラクターの薄い姿となった、新型「ムーヴ」。これなら、特別な拘りもなく、漠然と軽自動車が欲しいと思っている人に、安心して薦めることができます。
そんな万人向けのデザインですから、当然、かっこよくも、かっこ悪くもありあせん。
かっこいい度は、可もなく不可もなくの55点!です。
それにしても、かっこの良し悪しは別として、ダイハツが軽自動車に注いでいる意気込みには驚くばかりです。なるべく進化のスピードを緩やかにしたがっているように見えるスズキに対して、ダイハツの軽は、もの凄い速さで小型車を超えようと進化しています。
その姿は、まるで、いいものを妥協なく作ろうとするフォルクス・ワーゲンのよう。技術の進化よりも、チューニングやデザインで楽しもうとする、いわばラテン乗りに向かっているスズキとは、全く反対の方向を向いています。
ただ、僕は、フォルクス・ワーゲンってあんまり好きじゃないのです。『いいもの』なのは、凄くよく分かるんだけど、生真面目過ぎて、あんまり面白くないんですよね。
上手くは言えないんですが、長い距離を走った後、ふと車の方を振り返ったた時、スズキの軽って「よく頑張ったなぁ」という親近感を覚えそうなんだけど、ダイハツの軽だと、「よく働いたな」という、どこか冷めた感情を持ってしまう気がするのです。
いやいや、これは、僕の勝手な思い込みなんですけどね。スズキの軽は欠点も含めて愛着を持てそうで、ダイハツの軽は欠点があってはいけない高品質な工業製品というイメージなのです。
もっとも、同じお金を出すんだったら、一般的にダイハツの方が好まれるのは当たり前。ダイハツの躍進は、今後も順調に続いていくに違いありません。
そうそう、忘れちゃいそうでしたが、僕の販売予想は、月11,000台!
個性の後退と、ダイハツ内での食い合いを考えて、メーカー月販売目標の12,000台よりも、ちょっとだけ少なめにしておきます!
・・・余談ですけど、『普通さ』を「ムーヴ」に奪われてしまったミラの今後が楽しみですね。もはや、一番普通の軽ではない以上、ミラならではの個性が必要になるはずです。最近のダイハツの積極攻撃を考えれば、今更魅力の薄い普通の軽セダンのまま継続させる可能性は低いと思うのですが・・・。
さてさて、そんなこんなで、オーソドックス・オールマイティな軽らしい、キャラクターの薄い姿となった、新型「ムーヴ」。これなら、特別な拘りもなく、漠然と軽自動車が欲しいと思っている人に、安心して薦めることができます。
そんな万人向けのデザインですから、当然、かっこよくも、かっこ悪くもありあせん。
かっこいい度は、可もなく不可もなくの55点!です。
それにしても、かっこの良し悪しは別として、ダイハツが軽自動車に注いでいる意気込みには驚くばかりです。なるべく進化のスピードを緩やかにしたがっているように見えるスズキに対して、ダイハツの軽は、もの凄い速さで小型車を超えようと進化しています。
その姿は、まるで、いいものを妥協なく作ろうとするフォルクス・ワーゲンのよう。技術の進化よりも、チューニングやデザインで楽しもうとする、いわばラテン乗りに向かっているスズキとは、全く反対の方向を向いています。
ただ、僕は、フォルクス・ワーゲンってあんまり好きじゃないのです。『いいもの』なのは、凄くよく分かるんだけど、生真面目過ぎて、あんまり面白くないんですよね。
上手くは言えないんですが、長い距離を走った後、ふと車の方を振り返ったた時、スズキの軽って「よく頑張ったなぁ」という親近感を覚えそうなんだけど、ダイハツの軽だと、「よく働いたな」という、どこか冷めた感情を持ってしまう気がするのです。
いやいや、これは、僕の勝手な思い込みなんですけどね。スズキの軽は欠点も含めて愛着を持てそうで、ダイハツの軽は欠点があってはいけない高品質な工業製品というイメージなのです。
もっとも、同じお金を出すんだったら、一般的にダイハツの方が好まれるのは当たり前。ダイハツの躍進は、今後も順調に続いていくに違いありません。
そうそう、忘れちゃいそうでしたが、僕の販売予想は、月11,000台!
個性の後退と、ダイハツ内での食い合いを考えて、メーカー月販売目標の12,000台よりも、ちょっとだけ少なめにしておきます!
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