「bB(2代目)」のデザイン採点と販売台数予想

written on 2006/1/18


車の白物家電化を推し進めるトヨタから、ついに車であることさえも否定する問題作、2代目「bB」が発売されました。

キャッチコピーは、何と「クルマ型Music Player」! たまたま車の形をしているというだけで、基本はあくまでもミュージックプレーヤー。音楽を聴けるだけじゃなくて、おまけで車としても使えますってことです。




そりゃあ、ミニバンなんて既に「車型リビングルーム」や「車型ホームシアター」になっちゃっているのかもしれませんよ。

だけど、世界一の自動車メーカーになろうかというトヨタに、キッパリと「車はおまけです」と宣言されてしまうのは、非常に不愉快です! 車の一番の魅力は、運転という移動行為そのものだと思っている僕には、どうしたって納得できるコンセプトじゃありません!

だもんで、こんな車としての魂を捨て去ったような車、いやいや、だから車じゃなくって走ることも可能なミュージックプレーヤーなんて、「自動車ファンブログ」としては絶対に取り上げるもんか!と初日の出に誓ったのでありました。



しかし、そうは思ったものの、「bB」を見ていると、あまりの馬鹿馬鹿しさに、どうしても放ってはおけない気持ちが急成長! ミュージックプレーヤーの名前が車名一覧に載っているなんて不本意ではあるけれど、ついに書きたい誘惑に負けてしまいました・・・。



ということで、新年の誓いを破らせる程に強烈な新型「bB」。そのデザインを一言で表すならば、「うねうね」です!

基本は四角い箱型のシルエットなのに、これ以上どこを曲げればいいの?ってくらいに、弓なりのキャラクラーラインと凹面による「うねうね」を全面展開。例えるならば、蝋で出来た初代「bB」が、熱でドロドロに溶け出した瞬間とでも言ったところでしょうか。こんな無理なデザインをしたら、気持ち悪くなるのが当然です。

かくして、とても真っ当な車とは思えない、異様なデザインが完成してしまいました。



ところが、ここまで「うねうね」を徹底されると、かっこいいとか悪いとか、気持ちいいとか悪いとか、好きだとか嫌いだとかなんてものを超越して、触れてはいけない神聖なもののような迫力が生まれてしまうんですねぇ。「bB」を見れば見る程、あたかも、既成観念で判断してはいけないんだと、何人たりとも私の存在を否定することなど出来ないのだと、「bB」様が仰っているような気分になってきてしまったのです!





いやぁね、やっぱ、どんなに馬鹿馬鹿しいことでも、それを突き詰めていると、凡人の常識的な感覚なんて意味がなくなっちゃうのですよ。

例えば、GTOを思い出して下さい。FF横置きのギャラン・ディアマンテをベースに、フェラーリもびっくりのスーパーカールックを纏ったGTOは、全く意味のないエアインテーク(もどき)や、日本一の迫力を持ったリアスタイルで強烈なインパクトを与えました。

さんざん馬鹿にされながらも、上辺のかっこよさのために全力を捧げたスタイルは、数多くのファンを生み出し、今やバブルが生み出した迷車として不動の地位を確立しているじゃあないですか。

海外に目を向ければ、ムルティプラだって、馬鹿を極めています。二段腹のフロント部分や、レレレのおじさんの耳みたいなサイドミラー、異様に小さな目にハート型のリアランプなど、まさに個性の塊です。それ故に、イギリスで「世界一醜いクルマ」に認定されたり、フィアット自らが「醜い姿を見ないでいいから車内にいるのがベスト」とコメントしたりと、愛すべき逸話には事欠きません。

このように、非常識なデザインを妥協せずに徹底したことで、大多数の反対意見にも負けず、語り継がれる車になるケースが多々あるのです。きっと、「bB」も「うねうね」を極めたお陰で、何かしら歴史に名を残すことになるに違いありません。何しろ、ここまで「うねうね」した箱型車は、もう二度と出てこないでしょうからね!



ちなみに僕は、愛嬌と、一応デザインに機能的な理由のあるムルティプラは好きだけど、完全に見てくれだけの「bB」とGTOは駄目ですね、はい。




さて、そんな訳で、車ではなく、かっこいい悪いも超越しちゃった「bB」ですが、あえて点数を付けるのならば、かっこいい度は、60点

とても一流メーカーの出す車じゃないけれど、どこから見ても気持ち悪いという点でのデザイン統一は出来ているので、その馬鹿馬鹿しさの徹底に免じて、ちょっと甘めの点数にしておきます。これで、エルグランド並みの大きさだったら、馬鹿馬鹿しさも完璧でしたね。



で、販売予想は、月4,000台

メーカー目標は5,000台だけど、高齢層にも受け入れられた初代とは違い、さすがに今度は、これをかっこいいと感じる(一部の)若者専用車でしょう。なので、少々数を減らしておきます。

ちなみに、僕は若者じゃないので、このデザインを受け入れることは出来ませんですね、はい。

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