written on 2002/6/1 (2004/5/4 イラスト変更) 話題不足に耐え続けたマツダ待望の新型車「アテンザ」が発売になりました。 カペラ後継との位置付けですが、日米欧共通で販売するため、日本で乗るにはやや大柄なものの、スポーティーですっきりとしたデザインは好印象。(それにしても、「ファミリア」の次がいきなり「アテンザ」って品揃えはどんなもんだろう?) で、感想ですが、素直にかっこいいと思いますよ。 ただ、かっこいいんだけど、いかんせん古臭いんですよね。古臭いと言って悪ければ、新鮮味がないとか常識的なデザインと表現してもいいでしょう。スポーティーに見えるスタイルを数値化して開発したのと、挑戦的なデザインで失敗することを避けたためでしょうか、スポーツセダンとして、実に無難な姿に仕上っています。 ところで、マツダのセダンといえば、10年程前に「ユーノス500」という車がありました。かのジウジアーロを唸らせたとか、アルファ156のデザインに影響を与えたなどと噂されるほど、当時の日本車としては飛び抜けて美しいスタイルを持ったセダンです。 ただ、この頃のマツダは、多チャンネル化路線を突っ走り、経営悪化の原因ともなったクロノス兄弟(MS-6・MS-8・クレフ等、クロノスをベースとした兄弟車)を乱発していた時期。「ユーノス500」も、その一員として色物扱いされてしまったのか、それとも日本車離れしたデザインが一般的には受け入れられなかったのか、とにかく日本では商業的に成功したとは言えませんでした。(この辺りの顛末は、詳しく解説しているHPも多いので、興味がある方は調べてみて下さい。) そんな「ユーノス500」ですが、国内の販売実績とは対照的に、デザインの世界的評価は高く、西欧でのマツダの地位を高めた1台でもあるのです。 実は、「アテンザ」のフォルムは、「ユーノス500」をスポーティーに焼き直しした印象。キャビンが前進したり、ウエストラインを高くするなど、現代的なパッケージングも取り入れていますが、基本的には「ユーノス500」の正常進化版と言えます。 まぁ、失敗の許されないマツダが、西欧でも販売する「アテンザ」に、評価の高かった「ユーノス500」のイメージを継承させたのは...