「MRワゴン(2代目)」のデザイン採点と販売台数予想

written on 2006/1/30



ミッドシップ採用による卵型デザインが話題の三菱iよりも遥か昔、初代「MRワゴン」は、1999年の東京モーターショーで、ミッドシップレイアウトの革新的な軽としてショーデビューを果たしました。

この時は、ミッドシップらしくリアタイヤの前に吸気口を持ち、「Midship Reardrive」だからということで「MRワゴン」を名乗っていた訳ですが、市販バージョンでは、一転、ワゴンRベースのFF車に大変身。それでも、モーターショーでの評判が良かったのか、ショーカーとほぼ同じデザインを纏い、「MRワゴン」の名前もそのまま継承しました。

この時、誰もが思ったのが、MRじゃないのに「MRワゴン」はないだろうってこと。

しかし、「MR」は「Magical Relax」の略です!っていうスズキの説明に、とりあえずは納得させられたのでした。



あれから4年、先代とは似ても似つかないデザインで登場した2代目の開発コンセプトは、「Mom's Personal Wagon」。もはや、言い訳を考えるのも面倒なのか、ついに「MRワゴン」の「R」の根拠は、綺麗さっぱりと消滅!

ここまで大幅にデザインが変わり、ましてや、こじつけの理由すらないんだから、無理に「MRワゴン」を名乗らずに、「MPワゴン」とか「MaMaワゴン」とかって名前にして欲しかったなぁ、などと思うのですが、節約家のスズキさんのことだから、販売店の看板を付け替えるコストを削減する目的でもあるのかもしれませんね(?)。



さてさて、無駄話はともかく、自動車らしい緊張感の全くない、何とも緩んだデザインの新型「MRワゴン」。スズキによれば「かわいいけど甘すぎない、モダンさと上質さを併せもつデザイン」なのだそうで、確かに、ひたすら甘いムーヴ・ラテと比べれば、少しはスポーティーさが感じられるような気がしないでもありません。

まぁ、そうは言っても、所詮、僕には「ぬぼーっとした、締りのないデザインの車」にしか見えない訳で、かっこいい度は35点が精一杯でしょう。



というように、何をイメージしたんだかよく分からない「MRワゴン」には、正直あんまり興味はなかったのですが、何気なくスズキの広報発表を読んでいたら、このデザインの意外なモチーフを発見してしまいました!

そのヒントは、「ひと目で『新型MRワゴン』と分かるキャラクター性のあるフェイス」「木の葉をイメージしたサイドウィンドー付近のシャープなライン」という、二つの説明。キャラっぽい愛嬌のある顔の横に木の葉があるといえば・・・

そうなのです!

「MRワゴン」のデザインモチーフは、やる気のない顔に葉っぱの耳を持つ、あの「お茶犬」だったのです!?



「お茶犬」をイメージしたのなら、この緩んだデザインも納得です!

そう言えば、ターゲットは、子育てママでした。子供のおもちゃや、ぬいぐるみ、キャラクター玩具等々、かわいらしいものに囲まれた生活をしているママから見れば、シャープでかっこいい車よりも、ぬぼーっとしたお茶犬のような車の方が、よっぽど身の回りのものとのマッチングがいいに違いありません。「MRワゴン」の、ぬいぐるみのように温かく安心感のある緩いデザインは、子育てグッズとして見れば、実に最適なデザインだったのです。



そういうことであれば、僕には理解できないデザインでも何の問題もありませんよね。男どもがどう思おうと、ママ達に子育てグッズにピッタリと思ってもらえれば大成功なのです!bBがクルマ型Music Playerであるのと同じように、「MRワゴン」は子育てママのための「車型ベビーカー」なのです。「ベビーカー」がかっこよくないのは当然のことなのでした!





さぁて、そんな「MRワゴン」のメーカー販売目標は、月6,000台。ターゲットを絞り込んでいる割には、かなり強気な設定です。

んー、だけど、どうなんでしょうねぇ。ほら、マタニティウェアだって、いかにもって感じのものを好む人もいれば、出来るだけいつもと同じファッションでいたい人もいるじゃないですか。要は、自分を表現する上で、「子育てママ」の自分と、そうでない自分のどちらに比重を置くかの問題だと思うのです。

僕だったら、例えば「子育てパパの車登場!」って触れ込みで、優しいお父さんをイメージさせるようなデザインの車が出たとしたって、便利さにはちょっと惹かれつつも、そんなお仕着せの車、意地でも乗るもんか!って思うはずです。(あっ、だから、そういうイメージに近いミニバンには全然興味がないんだな。)

だけど、極端に女性だけを意識したムーヴ・ラテなんかが、そこそこ売れていることを考えると、こういうメーカーの提案を素直に受け入れられる方も多いのかもしれませんね。


ってことで、僕の販売予想は、月4,800台

さすがに「子育てママ」以外には買い辛そうなので、若干少なめにしておきましょう。

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