「ストリーム(2代目)」のデザイン採点と販売台数予想

written on 2006/7/28 (2006/8/3 イラスト追加)


ウィッシュによる掟破りなパクリ攻撃に完敗した初代の恨みを晴らすべく、「ストリーム」が5年半振りのモデルチェンジを行ないました。

今度こそトヨタにゃ真似させないぞ、との気合に溢れた2代目のデザインモチーフは「シルバーウルフ」。ハイテクな金属感を持つ精悍な狼が、都会を低い姿勢で疾走する躍動感を表しているのだそうです。

そう言われてみると、なるほど確かにそんな感じ。子供にも分かりやすそうな、シンプルなかっこよさだと思います。これなら、ウィッシュに奪われたお客さんを再び取り戻せるに違いありません!!

・・・なーんて、上手い具合にいけばいいんだけど、実はちょっと、いやいや、かなーり心配。何故って、「ストリーム」を見ていると、とある2台の車を思い出してしまうからなのです。



まず、最初に思い出すのは、極端な傾斜角のハッチゲートを持った先代のアコードワゴン。直線基調でウェッジを効かせたプロポーション、クーペっぽく見せようとしているサイドビュー、薄いライトのフロントマスクと、縦横比こそ違うものの、どことなくアコードワゴンに似た感じを受けてしまうのです。





このアコードワゴン、デビュー時にこそデザインを最優先させた潔さが話題になったものの、期待を裏切り、ほどなく失速。その原因の一つが、よく見ればハッチゲートを寝かせたパッケージ以外には何てことのない、実にオーソドックスなデザインにあったんじゃないかと思うのです。

と言うかですね、オーソドックスってのは気を使った表現で、はっきり言っちゃえば「古臭い」デザインでしたよね。ホンダは「最近にはないシャープなデザイン」というような説明をしていたと思うけど、それもそのはず、全体的には2世代ぐらい前のファミリーカーのような印象で、どうにもこうにも古臭いデザインだったのです。

そうなんです、パッと見は確かにかっこいい「ストリーム」も、アコードワゴンと同様、よく見りゃデザインに新しさも面白さも感じられないんです。おまけに、面の張りやキャラクターラインの通し方にシャープさが欠けるのか、パネルの質感からも時代遅れな印象を受けてしまいます。

見れば見るほど、ふた昔くらい前のセンスでデザインされているような気がしてしまう、「ストリーム」。この、ちょっと時代遅れ感のあるデザインでは、アコードワゴンと同様に飽きが来るのが早そうで心配なんですよね・・・。





そして、もう1台思い出すのが、鳴かず飛ばずのまま生産中止になってしまった最終型のギャラン&レグナムです。

実はですね、あまり大きな声では言えませんが、ギャランとレグナムって、結構かっこいいと思うんですよね。ちょいと悪役顔ではあるけれど、バランスの取れた筋骨隆々感が何とも言えない男臭さを醸し出していて、あれはあれで一つの完成されたデザインだと思うのです。例えるならば、ふんどし一丁で汗を飛び散らせながら太鼓を叩く姿をイメージしたかのような、「漢」を極めたデザインとでも言った感じでしょうか(?)。

ただしです、このかっこよさ、お洒落なかっこよさとは対極に位置する訳でして、残念ながら最近の流行に乗っているとは思えません。今の時代に求められているのは、汗ほとばしる「漢臭い」かっこよさではなくて、汗の匂いを感じないスマートなかっこよさなのです!

そうです、もうお分かりですよね。

ムキムキ・ギラギラした「ストリーム」のデザインがどちらのタイプなのかと言えば、明らかにギャラン・レグナムと同種のふんどし型なのです! 必ずしも時代の流れに乗らなきゃダメだっていう訳ではありませんが、これでは最初からリスクを背負って戦うようなものでしょう。




で、結論。

先代アコードワゴンのように古臭くって、最終型ギャラン・レグナムのように漢臭い新型「ストリーム」のかっこいい度は、40点

かっこいいのは確かなんだけど、僕が期待していたのは、新しさとスマートな美しさを兼ね備えたかっこよさだったのです。こんなことなら、流れるようなサイドビューを持っていた初代の初期型をリファインした方が良かったんじゃないかなぁ、なんて思っちゃうんですよね・・・。



さて、そんな「ストリーム」の販売予想ですが、このデザインで、誰からもまんべんなく好かれている、にっくきウィッシュに挑むのは、ちょっと難しいんじゃないかと思います。そりゃ、僕だって恥知らずなウィッシュを打ち倒す姿を見てみたいけど、最初のスタートダッシュを決めた後は、半年くらいで失速しちゃうような気がするのです。

ってことで、僕の販売予想は、月6,300台

メーカー目標の5,000台よりは多くしておくけれど、ウィッシュからトップの座を奪うまではいかないんじゃないかと予想します。

・・・んでも、オデッセイステップワゴンと、僕の評価に反して悪顔シリーズが受けている現状を見ると、起死回生の大逆転!の可能性はかなり大きそうですね。

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