「スカイライン(12代目)」のデザイン採点と販売台数予想

written on 2006/12/3


ある日突然に「スカイライン」の名前を与えられた先代とは違い、「スカイライン」として開発された正真正銘の新型が、ついに登場しました!

とはいえ、ボディサイズを始め、国内を最優先して作ったという新型も、デザインを見る限り、「スカイライン」らしさよりも「インフィニティ」らしさを重視した模様。本来「スカイライン」とは縁もゆかりもない先代が、従来のイメージを壊してくれていたお陰で、これが「スカイライン」だと言われても何とか納得できるけど、それがなければ、ちょっと小さなフーガにしか見えません。

僕も、一度ディーラーの店先で新型「スカイライン」をチラッ見てからというもの、フーガを見ると「あれっ?スカイラインかな?」、「スカイライン」を見ると「あれっ?フーガかな?」と一瞬悩むようになってしまいました。

そんな訳で、果たしてこのデザインで、先々代までの「スカイライン」ファンを取り戻せるのか不安でしたが、初期受注の状況をみると、6割以上を、50代~60代が占めているとのこと。僕の心配をよそに、かつての憧れを引き継ぐ存在として、きちんと認められているようですね。




とまぁ、「スカイライン」らしさには、ちょっとした不満もあるものの、その反面、3シリーズやCクラスのライバルになる、インフィニティ最量販車として見れば、なかなか上手いところを狙ったデザインだと思います。

確かにフーガに似過ぎている感はありますが、それを言ったら、BMWだってメルセデスだって、同じデザインの大・中・小を揃えているようなもの。それぞれのデザインに、はっきりした関連性のないレクサスよりも、よっぽどプレミアムブランドらしい戦略だともいえます。

それに、よく見れば、スポーティーな「スカイライン」に、大らかなフーガというように、同じデザインテーマでありながら、きちんとサイズに合った味付けがされていることに気が付きます。この流れで、もう一台、押し出し感を強調した、フラッグシップの大フーガが登場すれば、国内でのインフィニティ展開を、レクサスよりも分かりやすい形で始められるんじゃないでしょうかね。



さて、そんな新型「スカイライン」のデザインですが、インフィニティデザイン確立という役割の他に、もう一つ注目している点があります。

それは、男性的な筋肉質のデザインでありながらも、同時に女性的な柔らかさも併せ持っていること。これって、「スカイライン」本来のキャラクターとは合っていないのかもしれないけれど、エレガントさを感じる柔らかなデザインを、今このタイミングで出してきたというのは、なかなか面白い選択だと思うのです。

最近のプレミアムブランドの車って、誰もが感じているように、インパクトや存在感を求めて、どんどんアグレッシブなデザインに向かっているじゃないですか。BMWはシャープなキャラクターラインを複雑に走らせ、メルセデスは弓なりのウェッジシェイプに傾注し、ついにはアウディまでもが、大きく口を開いた鉄仮面みたいな顔になってしまいました。

それでも、それぞれが異なったデザインテイストを持っているのは、流石だなぁと思うのですが、どれも、男性的なアグレッシブさに向かっている点では変わりがありません。



そんな欧州プレミアムを見ていて、最近特に感じるのが、女性に似合う車が少なくなっているなぁってこと。

いゃ、もちろん、キリッとしたアクティブな女性やゴージャスな女性には、こうした車もよく似合うんだろうけど、エレガントな女性が乗るには、ちょっと車の自己主張が強過ぎるんじゃないかと思うのです。



そんな中で登場した新型「スカイライン」。

ちょっと買いかぶり過ぎかとも思うけど、こうした流れの中で、ちょうど空白になっていた「女性に似合うプレミアムカー」っていうポジションに、意外とすっぽりはまるんじゃないかと期待しているのです。特に、赤いボディのオープンモデルなんてのがあったら、結構いい雰囲気の車になりそうです。

そうそう、オープンと言っても、流行のメタルルーフじゃ駄目ですよ。やるなら絶対に、布製幌のソフトトップです!

車を軽く羽織っているかのように女性を美しく引き立たせるには、車が自己主張し過ぎない「スカイライン」のデザインと軽快なソフトトップの組み合わせが、ぴったりだと思うのです!



と言うことで、「スカイライン」のかっこいい度は、75点

ソフトトップのカブリオレが出たら、80点ぐらい付けちゃってもいいかもしれませんね。



それから、販売台数予想ですが、さっきから「プレミアムカー」って言葉を何度か使っているけれど、価格は全然プレミアムじゃありません。まぁ、いくら安くても、この手の車の市場規模が大きくないことは分かった上で、それでも、「スカイライン」のブランド力と、割安な価格の魅力で、メーカー目標の1,000台の倍、月2,000台は売れて欲しいなぁ、と思います。

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