「R1(初代)」のデザイン採点と販売台数予想
written on 2005/1/21
2003年の東京モーターショーに展示されていた「R1e」と比べちゃうと、明らかにかっこ悪くなって登場した「R1」。そのせいで第一印象こそ悪かったものの、よく見ればなかなかのかっこよさです。
もちろん、理想としては「R1e」のまま発売して欲しかったけれど、あれは、ロードクリアランスや軽の車幅、プラットフォームの制約なんかを考慮していないから可能なデザインだった訳で、全く同じイメージでっていうのは現実的には無理でしょう。それでも、コンセプトの近いツインよりも遥かにかっこいいし、R2で批判の的になった「スプレッドウィングスグリル(以下、翼グリル)」もずいぶんと洗練されました。
販売不振の一因にされたのか、早々に廃止となってしまったブーレイ顔とは違い、このデザインを定着させるぞという意気込みを感じますね。
そんな訳で、「R1」のかっこいい度は84点!
お顔が良くなった分、R2より1点UPしておきます!
と、僕はR2の時から翼グリルを評価している訳ですが、世間的には駄目みたいですねぇ。どうも、かっこ悪い、気持ち悪いって意見が多いようです。
そこで、ふと思ったのですが、翼グリル反対派対策として、リトラクタブルヘッドライトを採用してみてはどうでしょうか? 多分、存在感の強いグリルに、ぽっこり膨らんだライトまで付いているのが、いかんのです。デザインのポイントが多過ぎて、どこを中心に見たらいいのか分からないから、あっさり顔好きの人が胃もたれを起こしてしまうのです!
つまり、翼グリル嫌いの人のためには、フロントマスクの構成部品を減らせばいいってこと。その場合、格納時には殆ど目立たなくなるリトラクタブルヘッドライトが最適です。こうして、フロントマスクを構成する要素がグリルだけになれば、翼グリルの存在感こそ、必要不可欠なものになるのです!
本音を言えば、R2も「R1」も、今のグリルとライトの組み合わせが間違っているとは思いません。全身から漂うアクの強さとのバランスを考えたら、グリルにもヘッドライトにも、この位のインパクトが必要です。
でも、そうした日本車離れした強過ぎる個性が不評の原因なのだとしたら、デザインのポイントを翼グリルだけに絞ってしまうのも一つの方法だと思うのです!
・・・なーんて、勢いで書いてはみたけれど、現実的には、リトラクタブルライトの採用はあり得ない話ですよね。
確かに昔は、空力性能向上のためにリトラクタブル化は有効だったし、スポーツカーのスラントした低いボンネットに収まる小さなライトでは必要な光量が得られませんでした。車高の低い車では、ヘッドライトの最低地上高規制をクリアするためにもリトラクタブルが必要でした。
だけど、今の技術は薄く小さなライトでも充分な光量を与えてくれますし、固定式でも立派なCD値を達成できます。ライトの高さも、フェンダーに沿って上方に伸びる異形ライトの登場によって、リトラクタブルでなくても、車体の低さと照射位置の高さの両立が可能になってしまいました。
一方、コストアップ、重量の増加、ライトアップ時の空力性能低下等、メーカーが嫌がるマイナス要素ならいくらでもあります。はっきり言って、今やリトラクタブルヘッドライトにはかっこよさ以外のメリットはないのです。
その上、「かっこよさ」という最後の拠り所も、対歩行者の衝突安全問題を出されちゃうと、反論のしようがありません。
そうなんです、スバルに限らず、今後、リトラクタブルヘッドライトを採用した車が発売される可能性は、限りなく0なのです。だからこそ、NSXもフェラーリもランボルギーニも、ついにはコルベットでさえもリトラクタブルを捨てたのです!
んな訳で、自分で言っといて何なんですが、ましてや背の高い「R1」にリトラクタブルはあり得ませんね。ライトを開いた時の姿を想像すると、凄いことになっちゃいそうですし・・・。
このアイデア、全然駄目でした!
もっとも、翼グリル賛成派の僕としては、スバルに、ユーザーの目が慣れるのを待つ辛抱強さと、より美しいデザインへと昇華させる手腕を期待したいところ。辛いかもしれないけれど、僕を含めた一部の賛成派を除く、大部分の否定的な意見に耐えながら、この顔が市民権を得るまで頑張って下さい!
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