「ワゴンR(3代目)」のデザイン採点と販売台数予想

written on 2003/10/29


「ワゴンR」を初めて見たのは、確か、週間ビッグコミックスピリッツの巻頭プレゼント企画でのこと。自動車雑誌で見るよりも早く、突然現われた「ワゴンR」には、大きな衝撃を受けました。

道具感が強いながらも、かわいいデザイン、軽なのに使いやすそうなパッケージング。「これ、欲しい!」って、素直にそう思ったものです。

その後、登場した2代目は、多少、上級路線に移行。軽量化と材料費削減のために角を丸めたデザインもあって、乗用車っぽさが強くなりました。初代が「男性に似合う軽自動車」だとすると、女性にも違和感なく乗れるようになったのが2代目でしょう。





そして、いよいよ3代目。高級化を進めるライバルには追従せず、再び「道具」に徹した車へと逆戻り。装飾的なデザイン要素の殆どない、実にシンプルなデザインとなりました。

それにしても、さらに広げたキャビンのボリューム感はかなりのもので、横から見た姿は、危うくバモスにでも見えそうなほど。次期モデルはワンボックスになってしまうんじゃないかって気さえしてしまいます。

まぁ、それでも確かに「ワゴンR」に見えるんだから不思議なもの。基本的にはキープコンセプトと言えるのでしょう。



で、そんな「ワゴンR」のデザインですが、多分、世間の評判は良くないでしょうね。

変わり映えのないデザインに、新鮮味はまったくありませんし、ムーヴやライフと比べると、安っぽく見えるのも事実です。しかも、初代のような「安っぽいけれど、親しみやすい」っていう印象も皆無だし、まさにシンプルかつ殺風景! これで本当にベストセラー軽自動車の座を取り戻せるのかと、心配になってしまいます。

でもですねぇ、僕は、「ワゴンR」はこれでいいんだって気がするのです。シンプルなデザインを堂々と採用できるのは、パイオニアの特権でもあるのです。

それに、デザインがこなれて乗用車らしくなっていた2代目と比べると、ミニバンをギュッと凝縮したような、初代の持つ、いい意味でのアンバランス感があるし、「男性に似合う軽自動車」という原点に戻った気もするのです。

そりゃあ、ちょっと安定感がありすぎて、かわいらしさに欠けるとか、初代の持つカジュアルなお洒落さが全然ないとか、不満点も色々あるんだけれど、基本的には、このシンプル路線を支持しようと思うのです。




ところで、「ワゴンR」の魅力って何なんだろうと考えると、根本的には、ミニバンのデザインを軽サイズで表現したことだと思うんです。それは、カプチーノやジムニーも同じことで、様々な形態の車を軽規格に縮小すること自体に価値があるのです。

「小型車よりも高額で、燃費も悪い軽に存在価値があるのか」とか、「価格と維持費が安いだけでは軽の未来はない」なんていう小難しい話は別にして、僕は、単純に「小さい」ってことの魅力ってあると思うんですよね。

だって、かわいいじゃないですか、「ワゴンR(特に初代)」も、カプチーノも、ジムニーも! デザイン的には、特にかわいい部分なんてないんだけれど、小さいのに、大きな車と同じようなデザインに見せようと頑張っている姿が、逆にかわいく見えてしまうのです。こうした車には、良く出来たミニチュアのおもちゃを持つようなワクワク感があると思うんですよね。

その意味では、ミニバンを無理やり縮小したような新型「ワゴンR」の方が、小奇麗なデザインのムーヴよりも、ミニチュアカー的な魅力があっていいんじゃないかなって気がするのです。




余談ですが、縮小版の軽と言えば、3ボックスセダンを目指したオプティなんてのもありました。このオプティ、狙いはいいと思うんだけど、商売的には完全に失敗! すでに生産終了してしまいました。

まぁ、セダンのシェアが縮小している中での登場だったし、3ボックスの軽ってコンセプト自体に無理があるのは確かなんだけど、僕は、丸いライトでかわいさを演出しちゃったことも敗因の一つなんじゃないかと思うのです。

何故なら、前述したように、「ワゴンR」もカプチーノもジムニーも、特にかわいいデザインを目指しているわけではありません。まっとうなデザインのミニバンやスポーツカー、4駆の車を、軽サイズに縮小したら、結果としてかわいくなってしまっただけなのです。

そう!オプティも、わざわざ、かわいくする必要なんてなかったんです!

いっそのこと、クラウンをそのままする縮めちゃうぐらい無理な感じのあった方が、ミニチュア的な「かわいさ」があって良かったんじゃないでしょうかね!?



さて、話を戻して、「ワゴンR」のかっこいい度ですが、シンプルデザインを支持しつつも、結局は45点

やっぱ、少しは、洒落っ気が欲しいですよねぇ。



で、メーカーの月販目標は15,000台と、現状の販売実績と同程度。

ムーヴやライフとの質感の差は大きいですが、新車効果と安さを武器に、少々プラスの17,000台としておきましょう。

この記事をシェアする
  • B!

今週の人気記事

「ヴェロッサ(初代)」の販売台数予想結果

「ヴィッツ(2代目)」のデザイン採点と販売台数予想

「ワゴンR(4代目)」&「スプラッシュ(初代)」のデザイン採点と販売台数予想

「ムラーノ(初代)」のデザイン採点と販売台数予想

「ウイングロード(3代目)」のデザイン採点と販売台数予想

「パジェロ(4代目)」のデザイン採点と販売台数予想

「ミラ ジーノ(2代目)」のデザイン採点と販売台数予想