「アルファード(初代)」&「エルグランド(2代目)」のデザイン採点と販売台数予想
written on 2002/6/6
今回はちょっと趣向を変えて、トヨタ「アルファード」と2代目となる日産「エルグランド」を同時に取り上げてみます。
この2台、国内最大級のミニバンで発売日も一日違いと、まさに好ライバル。
といっても、自分らしさを磨いた「エルグランド」と、ライバルより目立つことを目標とした「アルファード」のデザインからも感じ取れるように、トヨタの方が極端にエルグランドを意識してるようですね。
で、結論から言っちゃうと、かっこいい度は「アルファード」0点!、「エルグランド」70点!。
いやぁ、ついに0点が出てしまいました。
それにしても「アルファード」、初めて写真を見た時は笑ってしまいました。
いくら「エルグランド」より迫力を出したいからって、こりゃないだろうってくらい下品なデザイン。既存のミニバンデザインを元に、限界までグリルとライトを拡大して、ボディサイドはスポーティーなキャラクターラインや大げさなホイールアーチで引き締めました。もちろん、後姿も大きなライトとメッキで抜かりはありません。
それにしても、ここまで大きなミニバン(変な言葉だなぁ)にウェッジシェイプでスポーティーなイメージを与えようとするのは、僕には理解できません。どうやら、トヨタはスポーツカーだろうとセダンだろうと、挙句の果てにはSUVやミニバンに至るまで、同じようにスポーティーに見せたいようです。
まぁ、スポーティーなこと自体は差別化という意味で許せますが、トヨタのデザイン法は、表面的な演出に頼ったものばかりなのが問題。
例えば、吊り目のヘッドライトや強調したホイールアーチ、ウェッジシェイプを印象付けるキャラクターラインなど、車を塊として捉えた造形ではなく、ボディパネル上の装飾が中心なのです。
こうした、3面図上で斜めの線を描き加えさえすればスポーティーになると思っているかのようなデザインは、非常に安直で子供っぽく見えるのです。
それにしても、ここまで大きなミニバン(変な言葉だなぁ)にウェッジシェイプでスポーティーなイメージを与えようとするのは、僕には理解できません。どうやら、トヨタはスポーツカーだろうとセダンだろうと、挙句の果てにはSUVやミニバンに至るまで、同じようにスポーティーに見せたいようです。
まぁ、スポーティーなこと自体は差別化という意味で許せますが、トヨタのデザイン法は、表面的な演出に頼ったものばかりなのが問題。
例えば、吊り目のヘッドライトや強調したホイールアーチ、ウェッジシェイプを印象付けるキャラクターラインなど、車を塊として捉えた造形ではなく、ボディパネル上の装飾が中心なのです。
こうした、3面図上で斜めの線を描き加えさえすればスポーティーになると思っているかのようなデザインは、非常に安直で子供っぽく見えるのです。
実は、エスティマがベースのせいか、「アルファード」のシルエットは意外とスポーティー。それなのに、そのスピード感をこれみよがしのキャラクターラインで強調したり、「エルグランド」に対抗するため、フォルムに似つかわしくない程に大きなグリルとライトを付けたりと、せっかくのスポーティーなシルエットが台無しです。
僕は、今のトヨタデザインに一番欠けているのは、知性と品格だと思います。
トヨタは、かつての没個性的なデザインへの反省と、若年層へのアピールのために、こうしたデザイン戦略を進めているのでしょうが、若々しいのと子供っぽいのとは意味が違います。こんな、特撮ヒーローの乗り物や、おもちゃみたいな車ばかりでなく、大人が乗っても恥ずかしくないものを出して欲しいものです。
そんな訳で、品の無いデザインを連発しているトヨタへの不満感も込めて、「アルファード」には敢えて厳しい点を付けさせてもらいます。(トヨタには初代エスティマやハリアー・ヴィッツなど、かっこいいデザインも多いんですけどね。)
一方、「エルグランド」は、初代で築いた独自の存在感を進化させる方向で登場しました。半円形となったグリルとライトは「エルグランド」の個性として昇華されましたし、サイドミラーと一体化したフェンダーラインや、フロントバンパーからリアゲートまで繋がるキャラクターラインも印象的です。全体に、存在感のあるフロントから後ろに向って勢いが流れていくようなイメージで、最近の日産デザインらしく、バランス感や、塊としてのまとまり感はまずまずです。(前から流れてきた勢いがすうっと消えていくような後姿は、もう少し存在感を出しても良かった気もしますが。)
ただ、日産の場合、スタイリッシュなデザインが販売実績に繋がっていないのが難点。プリメーラやスカイラインも美しいシルエットを持ってはいますが、車のイメージとのアンマッチもあってか、売れているとは言えません。
まぁ、モダンな家具を見てかっこいいとは思っても、実際に購入する人はごく僅か。結局は自分の部屋と釣り合いの取れた家具を選んでしまうものです。最近の日産車もスキのないデザインが、かえって一般客を遠ざけてしまっているのかも知れませんね。
という訳で、基本的には、こういった押し出し感の強い車は好きじゃないんですが、何とか品性を保っている「エルグランド」の方が好感を持てますし、オリジナリティもあって、それなりにかっこいいんじゃないかなと思います。
が、今までの販売実績を考えると、スタイリッシュな日産デザインよりも、装飾頼りのトヨタデザインを好む人が多いのも事実。最近のトヨタデザインの集大成ともいえる「アルファード」の方がかっこいいと思う人も、決して少なくはないのでしょうね。
さてさて、メーカーの月間販売目標は「アルファード」4,000台、「エルグランド」3,300台ですが、僕は両車共に月3,000台と予想します。
僕は、今のトヨタデザインに一番欠けているのは、知性と品格だと思います。
トヨタは、かつての没個性的なデザインへの反省と、若年層へのアピールのために、こうしたデザイン戦略を進めているのでしょうが、若々しいのと子供っぽいのとは意味が違います。こんな、特撮ヒーローの乗り物や、おもちゃみたいな車ばかりでなく、大人が乗っても恥ずかしくないものを出して欲しいものです。
そんな訳で、品の無いデザインを連発しているトヨタへの不満感も込めて、「アルファード」には敢えて厳しい点を付けさせてもらいます。(トヨタには初代エスティマやハリアー・ヴィッツなど、かっこいいデザインも多いんですけどね。)
一方、「エルグランド」は、初代で築いた独自の存在感を進化させる方向で登場しました。半円形となったグリルとライトは「エルグランド」の個性として昇華されましたし、サイドミラーと一体化したフェンダーラインや、フロントバンパーからリアゲートまで繋がるキャラクターラインも印象的です。全体に、存在感のあるフロントから後ろに向って勢いが流れていくようなイメージで、最近の日産デザインらしく、バランス感や、塊としてのまとまり感はまずまずです。(前から流れてきた勢いがすうっと消えていくような後姿は、もう少し存在感を出しても良かった気もしますが。)
ただ、日産の場合、スタイリッシュなデザインが販売実績に繋がっていないのが難点。プリメーラやスカイラインも美しいシルエットを持ってはいますが、車のイメージとのアンマッチもあってか、売れているとは言えません。
まぁ、モダンな家具を見てかっこいいとは思っても、実際に購入する人はごく僅か。結局は自分の部屋と釣り合いの取れた家具を選んでしまうものです。最近の日産車もスキのないデザインが、かえって一般客を遠ざけてしまっているのかも知れませんね。
という訳で、基本的には、こういった押し出し感の強い車は好きじゃないんですが、何とか品性を保っている「エルグランド」の方が好感を持てますし、オリジナリティもあって、それなりにかっこいいんじゃないかなと思います。
が、今までの販売実績を考えると、スタイリッシュな日産デザインよりも、装飾頼りのトヨタデザインを好む人が多いのも事実。最近のトヨタデザインの集大成ともいえる「アルファード」の方がかっこいいと思う人も、決して少なくはないのでしょうね。
さてさて、メーカーの月間販売目標は「アルファード」4,000台、「エルグランド」3,300台ですが、僕は両車共に月3,000台と予想します。
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