「フェアレディZ(5代目)」&「コペン(初代)」のデザイン採点と販売台数予想
written on 2002/8/28
今回のお題は、この夏話題のスポーツカー、日産「フェアレディZ」とダイハツ「コペン」です。
実はこの2台、イマイチ興味薄だったのですが、注目度の高さを考えて遅ればせながら取り上げることにしました。
両車の感想を簡単に言いますと・・・
「Z」は、まずまずいいと思います。歴代「Z」のエッセンスを織り交ぜながらも、未来を向いたデザインですし、バランス良くまとまっています。最初は長過ぎるように感じた後ろ姿も、慣れればキュッと引き締まってセクシーに見えてきます。
逆に不満なのは、四角いグリルと、平らなボンネットフード、離れ目気味なヘッドライトで作られたフロントマスク。良く言えば知的でクールですが、左右幅が強調され、平面的で無表情な印象を与えます。後ろ姿とのバランスを取るためにも、もっと力を凝縮した、引き締まったデザインにして欲しかったと思います。
「コペン」も悪くはありません。
変にごちゃごちゃさせず、伸びやかな線で構成しているのはいいと思うし、全体のバランスは取れています。
ただ、前から見ると、裾広がり気味のボディと、ボンネットからグリルへと続くV字ラインのため、ほっぺたが膨らんだ緊張感のない顔に見えてしまうのは残念。安定感や存在感、かわいらしさの演出にはいいですが、スポーツカーらしい軽快感を出すために、ボディ下端を全体的に絞り込んでも良かったんじゃないかとも思います。「コペン」も、後ろ姿の方がかっこいいですね。
といったところで、不満点もありますが、両車とも無駄なキャラクターラインや表面的な装飾に頼らず、シルエットそのもので独自性を表現していますし、思いきりのいい線で描かれているあたりは好印象です。少なくとも、世の中に出すのが恥ずかしい「何だこりゃ」的なデザインのレベルは超えています。
逆に不満なのは、四角いグリルと、平らなボンネットフード、離れ目気味なヘッドライトで作られたフロントマスク。良く言えば知的でクールですが、左右幅が強調され、平面的で無表情な印象を与えます。後ろ姿とのバランスを取るためにも、もっと力を凝縮した、引き締まったデザインにして欲しかったと思います。
「コペン」も悪くはありません。
変にごちゃごちゃさせず、伸びやかな線で構成しているのはいいと思うし、全体のバランスは取れています。
ただ、前から見ると、裾広がり気味のボディと、ボンネットからグリルへと続くV字ラインのため、ほっぺたが膨らんだ緊張感のない顔に見えてしまうのは残念。安定感や存在感、かわいらしさの演出にはいいですが、スポーツカーらしい軽快感を出すために、ボディ下端を全体的に絞り込んでも良かったんじゃないかとも思います。「コペン」も、後ろ姿の方がかっこいいですね。
といったところで、不満点もありますが、両車とも無駄なキャラクターラインや表面的な装飾に頼らず、シルエットそのもので独自性を表現していますし、思いきりのいい線で描かれているあたりは好印象です。少なくとも、世の中に出すのが恥ずかしい「何だこりゃ」的なデザインのレベルは超えています。
でも、かっこいいのかと聞かれると、「うーん?」って感じ。
どちらも、普通の車として見れば充分に「かっこいい」のでしょうが、スポーツカーとして見ると、何かが足りないのです。
それは何かと言うと、見ているだけでワクワクするような魅力、つまりはスポーツカーとしての情感やセクシーさです。
一口に「かっこいい」と言っても、その「かっこよさ」には色々な表現があります。情熱的・官能的といった、感情に訴えるかっこよさ。優れたデザイン技術とデザインセンスで作られた、知的なかっこよさ。有無を言わさぬ迫力で圧倒する、攻撃的なかっこよさ。小粋で気取らない、カジュアルなかっこよさ。
ざっと挙げても多様な「かっこよさ」がありますが、僕は、古典的と言われようとも、スポーツカーには感情に訴えるかっこよさが必要だと思うのです。
アウディTTクーペの登場以来、幾何学的・建築的なデザイン、金属感を生かしたデザインによる知的な「かっこよさ」が主流になりつつあるけれど、スピードという本能的な欲求を表現する存在のスポーツカーには、本能に訴えかける情熱的・官能的なデザインが不可欠だと思うのです。
自動車デザインが、洗練された知的な方向へと進んで行くのは良いのですが、スポーツカーには、その理性の下に隠された本能の爪みたいなものが欲しいのです。情熱的なデザインを、上質さや知性というオブラートで包んでいるかのような印象が欲しいのです。
TTには、流麗なセクシーさもなければ、隠した爪もありません。だから、性能がどうあれ、僕はTTをデザインの優れた美しいクーペだとは思っても、かっこいいスポーツカーだとは思いません(まぁ、名前からして「クーペ」だけど・・・)。
そう考えれば、TTのデザインには納得がいきます。デザインコンシャスなクーペとしては、充分に「かっこいい」と思います。
そして、「コペン」もTTと同種の車なのでしょう。スポーツカーだと思えば魅力に欠けますが、デザインクーペとして見れば、TT同様の幾何学的でシメントリックなデザインは正解と言えます。
しかし、問題は「Z」です。
セクシーな後ろ姿や、えぐり取ったボディサイドに、本能の爪が見え隠れしているのです。スポーツカーらしい官能的なデザインになりかかりながら、無表情なフロントマスクのために、冷静さが強くなり過ぎてしまっているのです。
「Z」もデザインクーペだと言うのならば今のままでも不満はありません。でも、「Z」が目指すのは純粋なスポーツカーのはず。
今の知的な「かっこよさ」も悪くはありませんが、スポーツカーであるならば、もう少し攻撃的な表情をしていてもいいと思うのです。厚過ぎる冷静さの仮面を剥ぎ取って、情熱的な視線を見せてくれたなら、「Z」の魅力はさらに大きくなると思うんですけどね・・・。
で、かっこいい度ですが、2台ともスポーツカーとして採点すると、「Z」80点!、「コペン」40点!です。
実際の販売は絶好調のようですが、予想月間販売台数はあえて、「Z」500台、「コペン」400台としておきます。
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