「RX-8(初代)」のデザイン採点と販売台数予想
written on 2003/5/19
今回の題目はマツダ「RX-8」。ここ数年、ことあるごとにプロトタイプを発表していたんで、「まだ売っていなかったの?」って気がしないでもないですが、Zに続き、日本のスポーツカー市場復活を占う要注目の1台です。
そんな「RX-8」ですが、全体的な印象は、まさにマツダのスポーツカー。最近のマツダデザインの王道を行く仕上りです。
コンパクトなロータリーエンジンだからこそ成し得たパッケージング、乗降のしやすさとスポーティーさを両立した観音開きドア、サイクルフェンダー風のフロントフェンダーを実現したプレス技術に、円錐形衝撃吸収構造が可能にした低いボンネットなどなど、技術とデザイン(パッケージング)の密接な繋がりもマニア心をくすぐらずにはいられません。
で、多分いろんなメディアで大絶賛されているであろう「RX-8」ですが、僕はイマイチ素直に「かっこいい」と言う気にはなれないのです。
いえいえ、基本的にはかっこいいんですよ。4シーターで、ここまでスポーティーなデザインなんて他にはありません。4人乗れなきゃ困るけど、スポーツカーを諦めたくない人には救世主のような存在でしょう。
それじゃ、何が気に入らないのかって言えば、スポーティーさの表現があまりにも「あたりまえ過ぎる」こと。Zが、過去のデザインアイデンティティを受け継ぎながらも、確実に新しさを感じるデザインを与えられたのとは対照的に、どこにも「新しいかっこよさ」ってのがないんです。
そりゃ、前述したように、4人分の空間とスポーティーなデザインを可能にするコンパクトなエンジンは最新技術の賜物だし、観音開きのドアだって流行の最先端です。だけど、そうした技術的な話やパッケージングの問題を抜きにして、単純にデザインとして見た場合、どこにも新しい試みってのが感じられないんですよね。
しかし、それもそのはず。「RX-8」もアテンザと同様に、スポーティーに見えるデザインってのを数値化して、そこから外れないようにデザインされたものなのです。言い換えれば、過去のスポーツカーデザインの平均値を表現したようなもの。
こうして作られた車は当然スポーティーな訳ですが、反面、目新しさなんて生まれるはずがありません。過去のデザインの集大成にはなったとしても、新しいデザインになるはずがないのです。
どうも、アテンザ以降のマツダデザインを見ていると、スポーティーではあるけれども、何となく古臭さを感じてしまうんですよね。
まろやかな面構成でシャープなラインが無いことや、塗装や外板パネルの質感がイマイチなことも(実車で見た訳じゃなくて、写真での印象ですけど・・・。)、一昔前のイメージを生み出す原因かもしれないけれど、やっぱり、デザインそのものに「ここは新しいな」って感じるところがないのが大きいのです。
しかも「RX-8」の場合、話題性の持続のために、そのデザインを長いこと大々的にアピールしていたもんですから、さらに新鮮さが薄くなってしまいました。
まぁ、ちょっとレトロなスポーティーデザインってのをマツダのアイデンティティにしていくっていうのなら、これでもいいのかもしれませんが、この路線のまま突き進んで行って大丈夫なのかなぁって、ちょっと心配になっちゃいます。
特に、最先端のデザインを武器にしている日産車と比べちゃうと、あまりに文法通りのデザインが見劣りしちゃうんですよね。メインマーケットのアメリカ人が好きそうなデザインではあるし、今のままでも、充分に「かっこいい」とは思うけれど、過去のデザインの焼き直しばかりじゃなくて、デザインでも先進性を表現するために、少しは新しい挑戦をした方がいいんじゃないでしょうかね?
って訳で、つまるところ、「RX-8」の価値ってのは、トラディショナルなかっこよさのスポーツカーを、数々の最新技術を駆使して、4人で乗れるパッケージングで再現したことであって、「かっこよさ」的には、特に語るべきところはないのでした。
さて、そんな「RX-8」のかっこいい度は65点!
アテンザの時には、古臭さを減点しながらも80点という高得点を付けましたが、スポーツカーとしての夢が必要な「RX-8」はさらに厳しく採点!10年前に発売されていたら95点くらい付けてもよかったんですけどね・・・。
さてさて、「RX-8」のメーカー販売目標は月1,000台。Zが月1,500台程度売れていることを考えれば、意外と控えめな数字です。
アテンザやデミオもそうだったけど、マツダの販売目標って実に堅実。話題性や、2シーターで300万円でも安いと言われるZ以上にお買得な価格を考えれば、もう少し売れるでしょう。
そんな訳で、僕の予想は、ちょっとプラスの月1,250台としておきます。
まろやかな面構成でシャープなラインが無いことや、塗装や外板パネルの質感がイマイチなことも(実車で見た訳じゃなくて、写真での印象ですけど・・・。)、一昔前のイメージを生み出す原因かもしれないけれど、やっぱり、デザインそのものに「ここは新しいな」って感じるところがないのが大きいのです。
しかも「RX-8」の場合、話題性の持続のために、そのデザインを長いこと大々的にアピールしていたもんですから、さらに新鮮さが薄くなってしまいました。
まぁ、ちょっとレトロなスポーティーデザインってのをマツダのアイデンティティにしていくっていうのなら、これでもいいのかもしれませんが、この路線のまま突き進んで行って大丈夫なのかなぁって、ちょっと心配になっちゃいます。
特に、最先端のデザインを武器にしている日産車と比べちゃうと、あまりに文法通りのデザインが見劣りしちゃうんですよね。メインマーケットのアメリカ人が好きそうなデザインではあるし、今のままでも、充分に「かっこいい」とは思うけれど、過去のデザインの焼き直しばかりじゃなくて、デザインでも先進性を表現するために、少しは新しい挑戦をした方がいいんじゃないでしょうかね?
って訳で、つまるところ、「RX-8」の価値ってのは、トラディショナルなかっこよさのスポーツカーを、数々の最新技術を駆使して、4人で乗れるパッケージングで再現したことであって、「かっこよさ」的には、特に語るべきところはないのでした。
さて、そんな「RX-8」のかっこいい度は65点!
アテンザの時には、古臭さを減点しながらも80点という高得点を付けましたが、スポーツカーとしての夢が必要な「RX-8」はさらに厳しく採点!10年前に発売されていたら95点くらい付けてもよかったんですけどね・・・。
さてさて、「RX-8」のメーカー販売目標は月1,000台。Zが月1,500台程度売れていることを考えれば、意外と控えめな数字です。
アテンザやデミオもそうだったけど、マツダの販売目標って実に堅実。話題性や、2シーターで300万円でも安いと言われるZ以上にお買得な価格を考えれば、もう少し売れるでしょう。
そんな訳で、僕の予想は、ちょっとプラスの月1,250台としておきます。
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